2011年11月21日月曜日

青の記憶レポート3

本日は、ちょういと急いで更新。
ので、1作品だけ紹介いたします~。

ギャラリーのドアを開けて正面には今回のDMやポスターに使った写真とステイトメントを貼らせてもらいました。

 
















同じ壁にこちらの作品を飾りました。



















田邊彩さんの「堕」です。

田邊彩

<人>
1992年3月30日誕生。
立教大学現代心理学部映像身体学科在学。
激しい色めきと煌めきを見せつけることができれば…と描く日々。
細々と展示手伝いや参加をし続けている。


<作品>
今回の作品では、愚直に、
テーマ通りの青と少女、
そして煌めきと不安を描いた。


















彼女の作品に一貫するテーマは「煌めき」です。
今回の展示に出品してくれた作品は、
絵の中の物語性に煌めきを封じ込めるとともに、
少女の中にまとわりつく水泡の煌めきをラインストーンによって表現しています。
ラインストーンを用いることによって一瞬の輝きを見ることができます。
深く、深い青の中に堕ちていく少女は、
美しさの反面、
それと同じくらいの不気味さというか怖さをもっているような作品になっているように思います。

「青の記憶」では、
展示の目的のほかに、
展示全体のイメージとしてのステイトメントを各作家に提示し、
作品を作ってもらいました。
今回は、そのステイトメントを載せたいと思います。


「青の記憶」
青だった。
見わたすかぎり青だった。
その海は、あまりに青かった。
それは完璧に近い青。
それは美しすぎてこわい青。
浜辺の少女は美しい。
彼女は誰?
彼女はどこへゆくのだろう。
彼女が生まれたのは小さな港町。
強く 冷たい潮風吹く町。
 船の汽笛がよく響 く。
少女の素足。
砂の粒がまとわりつく。
寄せては返す波が
彼女の足跡を消す。
波がさらった
彼女の宝箱。
彼女の思い出。
彼女はどこからきたの?
彼女は誰?
彼女は海へゆく。
遠くの青きら。
波にまじる気泡。
少女の後ろ姿。
消えそう。
あの日、海は青かった。
耳障りな波の音も、
ときには心地よくて、
孤独みたいだ。
水平線のずっと向こう
昇る朝日は命に似て。
はじまる。

2011年11月14日月曜日

青の記憶・展示レポート2

前回のブログに引き続き、
青の記憶の展示レポートをしていきたいと思います。
搬入風景の1枚。



















今回も2人の方の作品を紹介します。
まずは、小松杏里さんの作品です。

「海/生命」


























小松杏里

<>
1987年生まれ、茨城県出身。
2010年、立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。
在学中、勅使川原三郎のワークショップを機に
身体表現への興味を持ち、ダンスを始める。
現在、立教大学現代心理学研究科映像身体学専攻修士2年生。

<作品コンセプト>
今あるこの身体が経てきたものを考える。
それは個人としての身体から人類としての身体へと繋がる。
私の身体は海を漂う、
輪郭を持たない、
無数の生命の集合体。


















杏里さんの作品は、
とても細かい点や線の集合によって構成されています。
それは、彼女の生命観の表れとしてみることができます。
この点や線の集合は、
私たちの身体というものへの疑問を投げかけています。

私の体はいったいどからが私の体ということができるのでしょう。
この体は無数の細胞からできていて、
外の世界と私たちの体というものの境界は案外あいまいなものです。

今回の展示での彼女の作品は、
そういった身体観、あるいは、原初的な生命というものに対する思考が、
母なるものとしての海と結びついて作られたもののように感じられます。



もう一つ作品を紹介します。
消しゴムハンコ作家の川野明日美さんの作品です。
題名は「すべて青からもらった」です。

今回、川野さんは、
ポストカードサイズの作品4枚と、
4つの顔を組み合わせて作られた作品の計5つの作品を出品してくださいました。




















<>
オリジナル消しゴムはんこ作家。
「めごはんこ」の屋号で活動。
主にオーダー受注と、てづくり市などへの出店。
へんかわいい動物モチーフが多い。(?)
Twitter;@ashitautsukushi
BLOG;http://blog.goo.ne.jp/mego-hanko/

<作品>
あの青からもらった日々、おもいで、この体。
遠く離れても、少女たちは青を宿して生きている。
わたしの中のあの青は、今どんな色をしているだろうか。



一番手前に見えるのが「猫かぶりちゃん」というキャラクターで、
めごはんこ一押しのキャラクターです。
彼女の作る消しゴムハンコは、
ただかわいいだけじゃなくて、
ファニーであったり、クールであったりといった魅力をかね備えています。

普段は、
商業用に消しゴムハンコを制作、販売しているのですが、
今回の展示にむけて、
商業用のハンコとは別の、表現という次元に挑戦してきました。
彼女初のアート作品です。

4つの顔が組み合わされて作られている作品は、
彼女自身が気持ちの整理がつかない、
ぐちゃぐちゃした状態のときの自分の表情をモチーフにしています。
この4枚の絵において、インクの色がグラデーションしていくこと、
あるいは、作品の中において自分自身の中に透明感が増していくことによって、
彼女のそういったどうしようもない、やり場のない感情が浄化されていっているように感じます。

どの作品においても、
彼女の消しゴムハンコはとても丁寧に作られています。
そして、それを作品として、紙に押すという段階においても、
ひとつひとつ大切に作業が行われていることがわかります。
また、
作品のモチーフだけではなくて、
インクの色の組み合わせや、キャラクターを押す位置など、
彼女独特の間合いや空気感を感じることができます。


彼女のハンコは買うことができますので気になる方はチェックしてみてください!!


展示レポートはまだまだ続く予定です。
また見てください。


2011年11月8日火曜日

青の記憶

2011.10.14(fri)-16(sun) @ upstairs gallery

人間は忘れる生き物だ。
日常生活や日々の出来事に追われ、過去のことはどんどん忘れていく。
というよりも、思い出すことがなくなっていくのだと思う。
それが、ふとした瞬間に、あの日のことを思い出す。
ふとしたときに、「あぁ、友達と花火を見たあの港は、もうないんだなあ。」と。 
2011.311
私たちの生活はどこか確実にあの日を境に変わった。
あの日をなかったことにはできない。
ならば、互いに、伝え合い、語り合い、手を取り合おう。
そうして、何かがほんの少し前向きになれたらいいな、と思う。
 
展覧会「青の記憶」は、
「海」と「青」というテーマのもと、
訪れて下さったみなさんが、
あの日のことや、
私を育ててくれた町や土地のことを、
ふと思い出してくれるようにという願いから始まった企画です。
当日は、多くの方に訪れていただき嬉しいかぎりです!!
また、
今回、企画者の私を含め8人の作家が作品を出展してくれました。
当日も、作家の皆様には本当にお世話になりました。

来て下さった方、
作家の皆様、
本当にありがとうございました。

このブログで、ちょこちょこと、
当日の様子や作品の写真を載せていきたいと思います。

こちらがお世話になったギャラリーです。
代官山キルフェボンの近く、1階はミスターフレンドリーカフェになっています。




今回は2つの映像作品についてご紹介します。
映像コーナーは最終的にはこんな感じになりました。


















画面左側に見えますのが、
安田瑛己の「夏休みは終わらない」 、
画面右側のテントのような小部屋の中では、
泉順太郎の「渚を待つ」、
が上映されておりました。



















安田瑛己
<>
1987年東京生まれ、東京都在住。
早稲田大学第一文学部在籍。
大学では、映画サークルに所属し、
積極的に自主映画を制作。
また、フリーランスの映像制作者としても活動している。
2009年には監督作が学生残酷映画祭にて入選を果たす。
好きな映画監督はタランティーノ、ラースフォントリアー。
<作品>
ミナミちゃんは、夏休みを終わらせたくなくて、
海にやってきました。
海は濁ってて汚かった。
それでもミナミちゃんは嬉しかったのです。

安田さんの作品は、
眼帯をつけたかわいい女の子が海に向かう姿が、
彼女を執拗においかけるカメラワークによって描かれています。
ただ彼女にだけ焦点が当てられ、
彼女以外はすべてがピンボケの世界は、
どこか不気味さを感じさせます。
また、
生身の人間の呼吸を感じない無機質さをもちながらも、
どこかとてもエロチック。

彼女を追いかける瞳は一体誰のものなのでしょう。

次は泉君の作品です。

















 布が張られた中には、
椅子がおいてあり、その中に入って作品を見ます。



















彼の作品は、丁寧に作りこまれたアニメーションによって構成されています。
この布で囲まれた空間では、
渚の1日の時間が流れていきます。
月が沈み、朝日がのぼり、日が沈み、月が浮かぶ。
彼がめざすのは、破たんを含みながらも営みを続ける美しい世界です。
アニメーションには全体として歯車の回転がモチーフとして扱われており、
それは、まるで輪廻転生を思わせます。
私は、彼の作るアニメーションの美しさにいつも心奪われてしまいます。
また、新作ができたら順次公開していけたらなと思っています!!

今回は、映像2作品について紹介させていただきました。
まだまだ続きます!

それではまた。

2011年11月4日金曜日

展示『青の記憶』

2011年10月14~16日に、

FLORプロデュースの展示を行いました。
























「青」や「海」をテーマに、

8人のアーティストさんたちに出展していただきました。

絵画、映像、版画など、

どれもとても素敵でした!

アーティストさんたちの名前を挙げさせていただきます。

今度詳しく紹介させていただければと考えています。



出展者:成澤 智美 ・ 泉 順太郎 ・ 川野 明日美 ・ 小松 杏里
             
      ササキ ユーイチ ・ 田邊 彩 ・ 安田 瑛己 ・ るびゑ



(mika)

2011年10月24日月曜日

FLOR

Floating Light,Or,Right........

ゆらゆら揺れる明かり。
あるいは、
浮遊する正義や権力。

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言葉遊びや、
ページの隅のいたずら描きみたいな、
ちょっとした表現を中心に、

世界との関わり方と、
ほんの少しの甘やかな反抗心を、
そっと示唆する試み。

そろそろ始動!!

(nari)