2011年11月14日月曜日

青の記憶・展示レポート2

前回のブログに引き続き、
青の記憶の展示レポートをしていきたいと思います。
搬入風景の1枚。



















今回も2人の方の作品を紹介します。
まずは、小松杏里さんの作品です。

「海/生命」


























小松杏里

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1987年生まれ、茨城県出身。
2010年、立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。
在学中、勅使川原三郎のワークショップを機に
身体表現への興味を持ち、ダンスを始める。
現在、立教大学現代心理学研究科映像身体学専攻修士2年生。

<作品コンセプト>
今あるこの身体が経てきたものを考える。
それは個人としての身体から人類としての身体へと繋がる。
私の身体は海を漂う、
輪郭を持たない、
無数の生命の集合体。


















杏里さんの作品は、
とても細かい点や線の集合によって構成されています。
それは、彼女の生命観の表れとしてみることができます。
この点や線の集合は、
私たちの身体というものへの疑問を投げかけています。

私の体はいったいどからが私の体ということができるのでしょう。
この体は無数の細胞からできていて、
外の世界と私たちの体というものの境界は案外あいまいなものです。

今回の展示での彼女の作品は、
そういった身体観、あるいは、原初的な生命というものに対する思考が、
母なるものとしての海と結びついて作られたもののように感じられます。



もう一つ作品を紹介します。
消しゴムハンコ作家の川野明日美さんの作品です。
題名は「すべて青からもらった」です。

今回、川野さんは、
ポストカードサイズの作品4枚と、
4つの顔を組み合わせて作られた作品の計5つの作品を出品してくださいました。




















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オリジナル消しゴムはんこ作家。
「めごはんこ」の屋号で活動。
主にオーダー受注と、てづくり市などへの出店。
へんかわいい動物モチーフが多い。(?)
Twitter;@ashitautsukushi
BLOG;http://blog.goo.ne.jp/mego-hanko/

<作品>
あの青からもらった日々、おもいで、この体。
遠く離れても、少女たちは青を宿して生きている。
わたしの中のあの青は、今どんな色をしているだろうか。



一番手前に見えるのが「猫かぶりちゃん」というキャラクターで、
めごはんこ一押しのキャラクターです。
彼女の作る消しゴムハンコは、
ただかわいいだけじゃなくて、
ファニーであったり、クールであったりといった魅力をかね備えています。

普段は、
商業用に消しゴムハンコを制作、販売しているのですが、
今回の展示にむけて、
商業用のハンコとは別の、表現という次元に挑戦してきました。
彼女初のアート作品です。

4つの顔が組み合わされて作られている作品は、
彼女自身が気持ちの整理がつかない、
ぐちゃぐちゃした状態のときの自分の表情をモチーフにしています。
この4枚の絵において、インクの色がグラデーションしていくこと、
あるいは、作品の中において自分自身の中に透明感が増していくことによって、
彼女のそういったどうしようもない、やり場のない感情が浄化されていっているように感じます。

どの作品においても、
彼女の消しゴムハンコはとても丁寧に作られています。
そして、それを作品として、紙に押すという段階においても、
ひとつひとつ大切に作業が行われていることがわかります。
また、
作品のモチーフだけではなくて、
インクの色の組み合わせや、キャラクターを押す位置など、
彼女独特の間合いや空気感を感じることができます。


彼女のハンコは買うことができますので気になる方はチェックしてみてください!!


展示レポートはまだまだ続く予定です。
また見てください。


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