人間は忘れる生き物だ。
日常生活や日々の出来事に追われ、過去のことはどんどん忘れていく。
というよりも、思い出すことがなくなっていくのだと思う。
それが、ふとした瞬間に、あの日のことを思い出す。
ふとしたときに、「あぁ、友達と花火を見たあの港は、もうないんだなあ。」と。
2011.3.11
私たちの生活はどこか確実にあの日を境に変わった。
あの日をなかったことにはできない。
ならば、互いに、伝え合い、語り合い、手を取り合おう。
そうして、何かがほんの少し前向きになれたらいいな、と思う。
展覧会「青の記憶」は、
「海」と「青」というテーマのもと、
訪れて下さったみなさんが、
あの日のことや、
私を育ててくれた町や土地のことを、
ふと思い出してくれるようにという願いから始まった企画です。
当日は、多くの方に訪れていただき嬉しいかぎりです!!
また、
今回、企画者の私を含め8人の作家が作品を出展してくれました。
当日も、作家の皆様には本当にお世話になりました。
来て下さった方、
作家の皆様、
本当にありがとうございました。
このブログで、ちょこちょこと、
当日の様子や作品の写真を載せていきたいと思います。
こちらがお世話になったギャラリーです。
代官山キルフェボンの近く、1階はミスターフレンドリーカフェになっています。
今回は2つの映像作品についてご紹介します。
映像コーナーは最終的にはこんな感じになりました。
画面左側に見えますのが、
安田瑛己の「夏休みは終わらない」 、
画面右側のテントのような小部屋の中では、
泉順太郎の「渚を待つ」、
が上映されておりました。
安田瑛己
<人>
1987年東京生まれ、東京都在住。
早稲田大学第一文学部在籍。
大学では、映画サークルに所属し、
積極的に自主映画を制作。
また、フリーランスの映像制作者としても活動している。
2009年には監督作が学生残酷映画祭にて入選を果たす。
好きな映画監督はタランティーノ、ラースフォントリアー。
<作品>
ミナミちゃんは、夏休みを終わらせたくなくて、
海にやってきました。
海は濁ってて汚かった。
それでもミナミちゃんは嬉しかったのです。
安田さんの作品は、
眼帯をつけたかわいい女の子が海に向かう姿が、
彼女を執拗においかけるカメラワークによって描かれています。
ただ彼女にだけ焦点が当てられ、
彼女以外はすべてがピンボケの世界は、
どこか不気味さを感じさせます。
また、
生身の人間の呼吸を感じない無機質さをもちながらも、
どこかとてもエロチック。
彼女を追いかける瞳は一体誰のものなのでしょう。
次は泉君の作品です。
布が張られた中には、
椅子がおいてあり、その中に入って作品を見ます。
彼の作品は、丁寧に作りこまれたアニメーションによって構成されています。
この布で囲まれた空間では、
渚の1日の時間が流れていきます。
月が沈み、朝日がのぼり、日が沈み、月が浮かぶ。
彼がめざすのは、破たんを含みながらも営みを続ける美しい世界です。
アニメーションには全体として歯車の回転がモチーフとして扱われており、
それは、まるで輪廻転生を思わせます。
私は、彼の作るアニメーションの美しさにいつも心奪われてしまいます。
また、新作ができたら順次公開していけたらなと思っています!!
今回は、映像2作品について紹介させていただきました。
まだまだ続きます!
それではまた。
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